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原風景に寄り添う建築
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施工会社のご好意で建築家のオープンハウスに伺いました。

プロポーション・納まり・素材・構造・構成・照明計画、微妙な好みの違いはあれど、とても良く出来ていた建築でした。感心した点は色々ありましたが、少々驚いたのがその外観と構成がこの辺りの山間部の原風景に寄り添う建築としてぼんやりと私が思い描いていたイメージに幾つか重なっていた点でした。

下関の山間部に建築を計画するのであれば、外観はシンプルな切り妻屋根で軒は低く深く・樋は出来れば無く、色合いは直接的な色というよりも影に映ったような色合いのような・・・素の色、周りの豊かな山や緑に寄り添うにはそんな一見簡素な構成で十分ではないか。

よく考えてみると実は日本における木造の名建築には、建物の構成要素や材料はとても限られていて一見簡素だがプロポーションが良く、ディテールには繊細な部分や遊びがちりばめられていてるものが多いからかもしれません。

例えば上記の写真は今回のオープンハウスからほど近い施設の倉庫で、そんな事を考えている私にとって下関における建築の原風景のヒントにもなったもののひとつです。これが答えではありませんがこれにも答えにつながる要素がある気がしています。

驚いたことの理由として今回拝見した建築の設計を行った建築家は東京の方ということがあったのかもしれません。そもそも我々設計者は魅力的なものを設計する技量も必要ですが、その他にも敷地やその地域性を読み取る事も時には重要なファクターだと考えています。

今計画中の住宅でもそんなことをぼんやりと考えていたのですが、そんな感覚と重なるものを目の前で見る事で自分の答えの方向性も間違っていなかったという安心感とこの手法でない方法を探さなくてはという課題が出来ました。同時に明日からの仕事がとても楽しみにもなりました。



関係者の方々ありがとうございました。
by ksa-memo | 2012-12-16 20:38 | 建築
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