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快適さを作る大きな要素のひとつ、断熱性能と風通しについて
まだまだ寒い日が続きますが、冬から春の時期に計画を進める場合には比較的断熱性能の話が良く出てきます。皆さん、寒いのは嫌ですからね。しかも暖房代も抑えたい。要するに懐に優しく冬を快適に過ごしたいわけなんです。これは私も含めて皆さん一緒の考え方のように思います。

弊事務所について意匠やデザインが中心という見方をされる、誤解を受けることもありますが、快適に過ごすためにどのように計画するべきか計画毎に丁寧に検討・ご提案しております。まずは設計時に気にかけていることを下記にざっくり書いてみました。

近年は店舗・住宅・福祉関係のリノベーションのご相談もいくつかあり、内容としては「間取りや使い勝手について」のご要望が中心なんですが、改めて暖房方式・光熱費・結露・部屋毎の温度差などをお聞きしたり現地を調査しますと「非常に効率の悪い状況であること」も少なくありません。

弊事務所はどんな計画であれ、「ある程度の快適さ・適切な性能の高さ」があっての新築やリノベーションだと考えております。
今後も機能・性能・意匠、どれも大切に計画・設計・監理して参ります。

1:(基礎)床・壁・天井に適切な断熱性能を確保します。
 →断熱材も沢山の種類がございます。その計画毎に最適な断熱材の種類・納まりを検討します。
2:太陽光を利用します。
 →夏冬の太陽光の角度を考慮し、可能であれば季節毎の太陽熱や太陽光を利用を計画に落とし込みます。
  動力や電力を必要としないパッシブエネルギーのような考え方が中心になります。
3:室内の温度差を小さくする。
 →快適さに直結し、温度差による高齢者の事故防止にも繋がります。
  冬は足元が寒くなりにくく、夏は空気が循環し冷気が床に溜まったままになりにくい計画を心がけます。
4:暖房の方式や位置・電気代などを把握し適材適所に設置する。
 →様々な製品が出ております。大きな空間に対してはいくつかの機器でシュミレーションを行い検討します。
 →ご要望があれば暖炉や薪ストーブの検討も致します。
5:建物自体が適切に呼吸をして、結露しにくいように下地や仕上げの素材・通気層やサッシの納まりなどを検討します。
 →建物自体が健康であることも大切です。健康寿命の長い建築を目指して設計しております。
6:湿度を調整してくれる素材を活用する。
 →主に自然素材を適材適所に活用します。
  意匠や肌触り・メンテナンスだけを考慮するではなく、性能の点を考慮して自然素材を選定します。
7:性能・初期投資・ランニングコストを把握して給湯機器を選択します。
 →初期投資だけではなくランニングコストも考慮します。
8:冷暖房効率を考慮し季節や用途に応じ快適に過ごすことを前提に設計をします。
 →設計によって快適さは大きく変わると考えております。
  部屋の計画だけではなく窓の位置・大きさ・仕様、引き戸を季節に応じて開け閉めして暖房効率や通風を変えることを考えます。
9:断熱を考えることは音を考えることにも繋がります。
 →外部と内部の間の音を考慮して断熱材を選定します。
  必要であれば部屋と部屋の音を断熱材で調整、下階と上階の音を断熱材で調整することを検討します。
10:住宅の省エネ基準について計算します。
 →2020年から住宅の省エネ基準について義務化が予定されております。弊事務所では関連する講習を受けておりますので計算および申請が可能です。

by ksa-memo | 2018-03-11 08:25
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