人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ものづくりの基本姿勢

・正確に作る

・早く作る

・考えて改善する

・心を込めて作る

最高技術者・染谷氏が職人に対して重要視しているのは、この4点。


和菓子で有名な虎屋のブランディングについての本にあった記述の抜粋です。

これらは当たり前のことであり物作りの基本姿勢・原理原則を語っています。

しかし、よく考えてみると、どれ一つとってもこれを追求していくのは容易ではなく、そこに終着点もない。

そしてそれぞれのバランスをとっていくことも必要とされます。


この4点は建築を作る職人にも当てはまる大切なことですが、稀に残念ながらこういった基本とも言える事を忘れている職人もいることがあります。


そうした人の特徴としては、現場が散らかって整理されていないまたは養生が丁寧に行われていない、業務と関係ない私語が多かったり休憩が長かったり、間違いを報告しなかったり認めなかったり、愚痴を口にしながら仕事をしていたり、お客さんが来ると急に動き出したり、スケジュール管理や時間にルーズだったり、確認を設計に任せっきりだったり・・・少しでも当てはまる人は、どこか作業をさせられている意識ように見え、現場は概ね工期が遅れがちで仕事の出来が良くありません。


逆に仕事に対する姿勢にこちらが学ばせて頂くような職人さんも沢山います。そうした職人の仕事は、概ね早くそして間違いも殆どなく美しい。また、そういった職人は”自分の仕事"として常に考えながら仕事をしていますので、設計に対して収まりや将来の変化に対する指摘を頂くこともあり、頭が下がることもありますし、共に考えることに繋がり、結果建築の完成度が上がる訳です。


つまり同じ図面であっても現場の管理者や職人たちの意識の中にこれら4点についての思考があるのと無いのでは、出来上がったものは全然違います。これは多くの現場経験から言える、本当の話です。


ですから施工業者や製作会社、現場責任者・職人・下請け業者の選定はとても慎重にしないといけない業務ですし、現場監理はもっと慎重に行わないといけない大切な業務になります。


見積もり金額だけで業者や職人を選ぶことはとても危険だと思っています。

今、進めている計画もチーム作りで少々悩んでいますが、今後も良いチームを組むにはどうしたら良いか、良い監理とはどういったものが良いか、常に意識して検討しています。


もうひとつこの本で印象的だった文を。

○お客様の大切なご用を安心して託していただける店であり続けます。

・お客様が言葉にされないお気持ちを配慮し、前例にとらわれずに期待を超えるサービスを提供します。

・大切な場面にふさわしい品を、幅広い贈答知識をもって提供し、贈る方、贈られた方双方方に満足をお届けします。


これは虎屋のお客様との約束を抜粋したものですが、私の考える設計側・設計事務所の基本姿勢・原理原則と重なる・通じるところがあり、とても印象に残りました。これもまた、奥が深い事柄です。


人や人に関する物を取り扱う仕事であれば、どんな仕事であっても上記2つの姿勢のどちらか・もしくは両方共が当てはまると思います。

それぞれを深く・バランスを取っていくことを常に忘れずに、建築にデザインに精進して参ります。


by ksa-memo | 2018-05-23 09:41 |
<< 建築本の図書館+αを始めたい 何度も足を運んでしまう建築 >>