ギャラリー間にて杉本貴志展を見てきました。
杉本氏というと陰影があり素材をうまくつかった店舗等の空間のイメージがあります。今回は鉄の茶室と水の茶室、2つの茶室のための展示でしたが、陰影と素材ということは共通していて、茶室ということもあり、よりその特徴がはっきりでていました。
鉄の茶室はその名の通りアイアンの茶室で鉄のごつごつした素材感と自然光によって、独特の空間ができている。鉄といっても製品的な鉄ではなく工芸品的な鉄格子の表情であり、その格子によって適度に切り取られた光が心地よい陰影を作っていました。
水の茶室は暗闇のなかに水滴によって切り取られた茶室が浮かび上がっています。暗闇と水滴と照明によって時間をも切り取られたように時が止まって感じるのが心地よい。水滴というものをこれだけ認識できるのも面白い。
個人的な印象としてはっきり違ったのは、鉄の茶室は実際の住宅などのどちらかというと小さな空間に生かせるイメージであり水の茶室は公共空間などの少し大きなスケールの中で生かされるイメージであった。また、どちらも茶室ということで座って空間を体感するということについて考えさせられた気がする。
今進行中の住宅でも少しヒントをもらった気がした。